木について
ロングトレイルは森林限界ラインを行ったり来たりするために
出会う木はすべてギリギリを生きている。
みごとに姿が物語っている。
少しでも大きくなれば雷に打たれるか、支えきれなくなり倒れる。
それがここの木の宿命だ。
木が死ぬとはどういうことか
実際見れば説明は要らない。
倒木の周りに花が咲き
倒木の上には芽が伸びる。
山火事は地獄ではなく楽園への
1ステップにすぎない。
花や木にとってそれは必要不可欠な過程なのだ。
森のなかで土を掘り返すと
数センチの土の層の下で白い石や岩にぶつかる。
大地が隆起し、山となったあと
白い岩岩の荒野から何千年もかけて
木が生まれて死んで、また生まれて。
その繰り返しがこの森の土だ。
The tree is born for good earth.
木は良い土になるために生まれる。
ノートに書き留める。
(このメモがのちに出逢いを引き起こす)
日が暮れると気温が一気に下がり、
焚き火がしたくなる。
木が天にのぼる音に耳をすませば
森羅万象の意味が分かるような気がしてくる