旅をするようになって
空をよく見るようになったと思う。
空はひとつしかないのに
いろんな色がある
さまざまな表情がある
風も匂いも音も
この前、入院したとき
初めて外に連れ出してもらった日に
左手で小学生みたいな字で書いた。
素直な気持ち。
そして、いろんな人からメッセージをもらって
しみじみと世界中の空を思い出して書いた詩。
「空と旅人」
あの空をきみは憶えているかい?
どうしようもなく広い空
この町はもう次の季節を迎えようとしている
汗ばむ思い出は景色にとけていって
君と過ごした僅かな時間を紡げば
新しい気持ちは空に伸びていく
また、もう一度
あの柔らかい丘にのぼらないか?
遠くの山並みに消えていく夕陽を眺めにいこうよ
今日も誰かがおやすみと言うから
一日を終えられるんだろうな
悲しむ必要なんてないのさ
いつものように笑い合おう
サヨナラの代わりに何て言葉を贈ろうか
吹き抜けるあおい風になって
僕らが確かに過ごした日々を繋げば
誰のものでもない物語は続いていく
また、会えたなら
その物語の続きを聞かせてくれないか
熱いお茶を淹れるから、目と目を合わせて語りたいのさ
今日も誰かがおかえりと言うから
明日がやってくるんだろうな