<ヒマラヤを識る言葉~エベレスト街道~>
日本では「エベレスト街道」という名称が一般的だが本来の名称は「テンジン・ヒラリー・トレイル」。(英語名TENZING HILLARY TREK)
世界で初めてエベレスト登頂を果たしたテンジン・ノルゲイ(シェルパ族)とエドモンド・ヒラリー(ニュージーランド)の二人が実際に旅したルートを指す。
首都カトマンズからバズでジリという町に行き、そこからEBC(エベレストベースキャンプ)まで片道歩いて約15日ほどかかるロングトレイル。1970年代に訪れたトレッキングブームではみながこの道を歩いた。そのため、各村にはロッジがたくさんあるが、最盛期に比べてその数は減った。
なぜなら現代のトレッカーたちはヒマラヤ山麓のルクラまで片道30分ほどの飛行機で行き、そこから片道歩いて約7~8日間ほどでEBCまでいくからだ。
また、最近ではカトマンズからサレリという街まで乗合ジープで10時間かけていき、そこから3日かけてルクラまでいくトレッカーも多い。
今回の旅はほとんどの人が歩かなくなってしまった古のエベレスト街道を歩いていく。なぜなら、そこに僅かに残された原生林があるから。トレッキングブームによって多くの原生林は開発を余儀なくされ、廃れていく一方だった。
また、村には昔ながらの伝統的な文化と信仰に基づいた暮らしが続いている。そんな山岳民族たちの暮らしを垣間見て、ときに交流できるのもエベレスト街道の魅力である。
実際に旅したルートはカトマンズからシバラヤまでバスで10時間、シバラヤからルクラ経由でディンボチェ、そこから道を外れて3パストレイルを通って、EBCヘ。もう一度3パスに戻り、ゴーキョ、ルンデンを通り、ナムチェバザールヘ。そこからルクラ、ジュンベシ、そして最後はサレリまで。全28日間の旅。