<ヒマラヤを識る言葉~3パストレイル~>
世界中でトレッキングやロングトレイルが流行し、さまざまなトレイルが国立公園や世界自然遺産内に整備されている。
その中でもネパールは1970年代にトレッキングブームが訪れ、国策としてヒマラヤ山脈の聖山を中心にして招きいれていった。そして世界中からトレッカーたちが唯一無二の景色と体験をしに、今もなおヒマラヤ奥地へと旅をしている。
その中でも気軽にアクセスができ、エベレスト山群を間近にトレッキングできる3パストレイルというのがある。
日本のガイドブックにはほとんど紹介されていないが
欧米のトレッカーたちの中では「一度は歩きたいトレイル」として有名だ。(英語名THREE PASSES TREK)
グレートヒマラヤトレイル(GHT)の一部で、エベレストをはじめ8000M級の神々の山嶺を眺めながら歩くことができる。
GHTとはその名の通り、ヒマラヤ山脈を貫くトレイルで、Upper route (山岳ルート) とLower route (丘陵ルート) の2本で構成されている。総延長は、前者が約1,700㎞ (標高3,000~6,000m超)、後者が約1,500km (標高1,000~4,000m超)もある。
3パスとは三つの峠(pass)を意味し、コンマラ峠、チョラ峠、レンジョラ峠はすべて5500M級であり、途中に村も宿もない。それぞれの景色も難易度も違えば、もともと生活道でもないので道自体が不明瞭になってしまうこともある。ちなみに「ラ」はネパール語で峠を意味する。
世界中から経験豊富なトレッカーがチャレンジするが、ここをガイドもポーターもつけずにひとり歩く人はほとんどおらず(年間1000人未満)、地元のガイドですら「気をつけて」と忠告する。