ジョン・ミューア・トレイル日誌
Dialy in John Muir Trail
自然保護の父、国立公園の父と呼ばれたジョン・ミューアの
名前が付いたロングトレイルがアメリカ・シエラネバダ山脈にある。
ヨセミテ国立公園~2つのウィルダネス地域と
キングスキャニオン、セコイア国立公園をまたぎ
アラスカを除くアメリカ本土の最高峰
Mt.ホイットニー山頂(標高4350m)まで
つづく全長340㎞のロングトレイル
テントから調理器具まですべてをバックパックに詰め込んで
1か月かけて歩いた旅の軌跡
12月1日より連載スタート!
ジョン・ミューア・トレイル(JMT)を歩く前に
どうしても寄りたいところがあった。
「ブライダルヴェールフォール」
落差188mの滝は風に吹かれると
結婚式の花嫁のブライダルヴェールのように風に舞う様子から
名前が付けられた。
1903年、ここで歴史的なキャンプが行われている・・・
人類が生まれたころから火を操ってきた。
火を囲んで酒を飲み、踊った。
便利のための現代化によって火は一気に失われていった。
もし、急速な現代化の中で
我々が忘れてしまったものがあるのなら
それは火の中にあるに違いない。
テントを張った川沿いで
茜色に染まった空をミュールジカが走っていく。
屋久島ではシカが貴重な植物や木を
食べてしまう被害が出ているという。
人間たちはそれを「シカ害」と呼ぶ。
人間害について、いったい誰が諭してくれるのだろうか。
突然、夕陽が顔を出す。
ワンダレイクが反射して夕陽が二つになる。
ジョンミューアもここから夕陽を眺めていたに違いない。
ここから今まで歩いてきた山並みが見える。
よくもまぁ、歩いてきたもんだ。
ばかばかしくもあり、誇らしい。
ミューアハットから見る朝陽は
まるで未来を照らしてくれるようだ。
ジョンミューアの名前がつけられたこの峠には
ジョンミューアのふたり娘の名前がつけられた湖があり、
夕陽はワンダレイクを茜色に染め
朝陽はヘレンレイクを藍色に染める。
空が夕焼けに染まる。
昨日、今日と良い出逢いが多くてなんだかしみじみと空を眺める。
あと、1週間でゴールのMt.ホイットニーにたどり着く。
ゴール後まで町には降りない。
この最後のトレイルがうまくいくイメージしか浮かばない。
ついにゴールのMt.ホイットニーが目の前に現れる。
これを登るのか
どうやって、あの崖の上に立つのだろう。
しかし、あと二日もすれば確実にあそこで僕は歓声をあげているはずだ。
そのイメージがあの頂きからやってきて
僕を誘う。
『I walk by myself
photo's by myself
words by myself
but special thanks to
my friends,my family,
all hikers and rangers i met,and...YOU!!』